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遊学の森トラスト

遊学の森トラスト in 安房鴨川

4月15日(土)-16日(日)【防水堤を作る】

text:松村 耕

2年ぶりに鴨川に来た。前回は「21世紀塾」で、知人の信太さん、水野さん&ミゲルさん夫妻と一緒に、江戸社会のネットワークやメキシコのサパティスタ解放軍について学んだ。その時は潮干狩り中の家族の群れを眺めながらアクアラインをバスで向かったが、今回は外房線に乗る。勝浦駅のホームには待合室(小屋)があるが、常にガタガタ揺れている。5歳位の女の子と母親が入ってきたが、すぐに出て行ってしまった。ホームの向かいは山を裁断した断面のような崖で、斜面に沿って植えられた松はどれも北斎の絵のように撓み、風の強さが分かる。君津、勝浦で2度接続待ちしたので、安房鴨川10:30発のバスを逃してしまう。次のバスは金束までしか行かないのだが、阿部さんが電話で金束からでも歩いて行けることを教えてくれた。根本さんにバス停まで迎えに来てもらい、着いてすぐに昼食をご馳走になる。トタン状の物と鉈と強度のある紐を持っていざ出発。以前にも見ている筈だが、森の印象は「ため池」だった。50cm程の岩盤で水圧を支えている問題箇所を中心に、写真3

早速トタン用の溝をスコップで掘っていく。
溝を掘る

田中さんが溝にトタンを嵌め込んでいく間、根本さんが竹を鉈で鋭利に尖らせ、僕は長さをのこぎりで調整し、杭を作る。共同作業はリズムが重要だ。杭はトタンの前後に刺して2本ずつ紐で結ぶ。
竹を切る トタンを支える杭

問題箇所の辺りは特に杭の間隔を狭くした。クロちゃんが時折鳴き声で退屈をアピールする。「キュ~ン」「クロ、お前なんちゅう声出しとんのや」「思い通りにいかんこともあるんや」。田中さんとクロの会話は漫才のようだ。
待機中のクロ 田中さんとクロ

根本さんとクロと一緒に決壊した側溝を見に行く。水路が決壊して土砂が流れ落ちた経過がはっきり確認できる。扇状地に下りると、そこは本当に砂利で、素人目にも稲作は無理と思われた。写真6

といっても棚田との境界は柔らかく、踏み込んだら足が抜けなくなる。鶯の声を聴き、崩落して、周囲より薄茶色の地肌を露出させている斜面を眺めながら帰宅。阿部さんが揚げてくれた筍とせり、三つ葉のてんぷらとビールで幸福なひと時。家族の話を聞いてもらい、フィリッピンの話なども。根本さんがNHKの連作障害をミクロに観察したビデオを観せてくれる。根の中のバクテリアと線虫の戦いには大自然が定めた休戦ラインがあるようだ。クロは少し元気がない。鴨川の夜は本当に静かだ。雨音だと思ったのは加茂川(鴨川の加茂川?)の水の流れる音だった。

翌朝は霧雨が降っていた。根本さんが自然な様子でクロの散歩の準備をして、一緒に連れて行ってもらう。家を出てすぐに、片足がびっこの雌犬が現れて嬉しくてたまらない様子でクロや我々にじゃれた。クロは素っ気無い態度で答えている。根本さんによると昨日もいたのだという。すれ違ったお婆ちゃんも「あれ、この犬まだいるの」。山あいの川を見下ろす崖に靴が揃えて脱いでおいてあったが、置き忘れたのだろう。朝食の後で出発。今日の持ち物は槌(もちつき用のではなかった)、木の杭、鉄棒。道具を探している間、根本さんが小屋で牛を繋いでいた跡をみつけた。人の腰くらいの高さに鉄の輪が留めてある。昨日まであった棚田の奥の壁が崩れ落ちている。こんな小雨でも・・・。森へ到着した後は、杭を打った。次回は杭の間に土嚢を100個以上積むようだ。再び側溝から田全体を見下ろしてみると、昨日は無かったトタンが立っている事に改めて感動した。応急処置ではあるが、これだけでも大分違うみたいだ。

前夜の根本さんの発案で、崩落地点から少し登った場所で山菜狩りをする。せり、三つ葉ともう一種を採った。辺りには似ているが食べられない葉があり、匂いで嗅ぎ分けると教えてもらったが、さっぱり分からない。毒せりもある。結婚式に向かう田中さんも一緒に、内房線で蘇我に向かった。電車の中でビニール袋山盛りに分けてもらった葉ものは、おひたしになり、我が家の人々の細胞を活性化させたのでした。
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