遊学の森トラスト

遊学の森トラスト in 安房鴨川

イノシシ対策

田中正治です

・昨日(16日)第一回目の草取りをしました。
 田車をゴロゴロと押していきます。
 その後倒れた苗を1本1本起こしていきます。
 水の浅いところは1cmくらいの草が生えだしていました。

 今日(17日)は雨降りです。
 ちょうど水がほしいなと思っていたところなのでluckyでした。
 かなり水位があがりました。

・イノシシ対策ですが、
 ご近所の農家と立ち話をした時に話題になりました。
 そのおじさんの所も昨年数箇所イノシシに全滅させられ、
 どうしたものかと悩んでいます。


 僕が電気柵はどうでしょうと言うと、
 草刈がほんとうに大変、とのことでした。
 といいますのは、草が伸びてきて電線(地上25cm)に触れれば
 アースしてしまい、イノシシが触れてもビリ!とこないわけです。


 そこでそのおじさんが言うには、電気柵の下に30cmくらいの
 ビニールをず~と敷いて行くと草を抑えられるといっていました。
 なるほど!


・昨夜、三芳村に移住し、有機農業専業農家として宅配で生活している
 川田さんが来ました。彼のところもイノイシに悩まされています。
 彼の意見は電気柵を張るなら、電気柵から少し離れて内側に波板を
 張りめぐらせてはどうかといっていました。
 というのは、電気柵に近づいた時、波板が目に入りなんだろうと
 いうことで突進せず電気柵に触れビリ!と来るというのです。
 NHKで放映していたそうです。電気柵を採用するなら、
 これも一案かなと思います。
 波板の価格は、そんなに高くはありません。

・でも、川田さんは、電気作はやらず、鉄網でやるそうです。
 建設工事の時の鉄柵を張り巡らせるとのことでした。
 ポールが結構高いというっていました。
 これなら草刈の苦労がないと。

 近日中にホームセンターに行き、価格などを見てくるつもりです。
 ついでにビニールの価格も。
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5月13日朝、阿部さんと二人で波板張りをしました。

田中正治です

今日、5月13日朝、阿部さんと二人で波板張りをしました。
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棚田の山側から冷たい山水が入ってきて、
植えた苗が冷たくて縮みあがっているようなのです。
冷たい水が来ている苗は全く元気がありません。
それで、山側30cmのところに波板を張り、
冷たい山水を迂回させ、温めようというやり方です。
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波板を全体に張ろうとすると、後3本購入する必要がありそうです。
鴨川の市街地に行く用事の時に購入したいと思います。
了解くださいますよう。
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6月2日、遊学の森・田の草取りのご案内。日程変更のお願いです。

6月2日、遊学の森・田の草取りのご案内。日程変更のお願いです。
 田中正治


・以前、年間計画で、6月9日田の草取りとご連絡しましたが、
6月2日(土)に変更させてもらえませんでしょうか。
6月9日当地で、六ヶ所核燃料再処理工場のイベントが
入ってしまったのです。よろしくお願いします。

・5月10日出張から帰って田んぼに行ったところ、
水が多少深く、一部苗が水面下になっていました。
また、藻が一部出てきたので、少し水を流しました。

・5月10日、田んぼの山側の草刈をしました。
雑草を刈っておかないと、イノシシの隠れ家に
なりやすいとのことなので。

・5月10日、上田ますおさんから電話がありました。
彼は5月3日野草つみや、杉山さん所での交流会に
参加した人です。
イノシシ対策の電気柵が格安で売っているとの情報です。
明日12日会って説明書を見せてもらいます。
田んぼの周りをメジャーで測ったところざっと120mでした。

とにかく、7月中にはイノシシ対策を完了させる必要があります。
というのは、8月になると花が咲き、実がなり始め、
イノシシが来だすからです。

・田中宅への地図は、
右欄外の交通アクセスをクリックしてください。
☆交通アクセス

・お問い合わせ先は、
電話/FAX番号は、04ー7098-0350(田中)

★前日6月1日から、宿泊もできます。

★6月2日(土)
・09:30 田中・阿部宅集合
・10:00 田の草取り
・12:00 昼食(¥500)
・14:00 野草つみ、(イノシシ柵張り?)
・15:30 シャワー
・16:00 よもぎ餅手づくり
・17:00 夕食準備(皆で。阿部さんが下準備をしておきます)

宿泊する人は・・・・
・18:00 夕食・交流会(¥500) ビール持参歓迎
・22:00 就寝
・宿泊は、¥1000または1000地域通貨

★6月3日(日)
・07:30 朝食(¥500)
・09:00 自由時間、山の散策 
・12:00 昼食(¥500)

5月3日 田植えレポート③

遊学の森レポート            村上小百合

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 五月三日、遊学の森の田植え。午後は野草つみ。
夜は杉山さんのお宅で。つんだセリで餃子づくり、
そして遊学の森と安房マネーの人々の宴。
囲炉裏に車座になって、田中さんの旧友である藤澤さんの
オーガニックコットンのお話しなどを聞いた。
三度目の参加になりますが、
これまでにパンにうどんによもぎジュース作り・・・。

本来であれば草取りと収穫と、田んぼに比重があるのでしょうが、
田中さんとあべさんの考えてくれている、
みんなで何かを作って食べるというのも楽しみのひとつです。
なるほどと思いながら、意外や簡単に自分で作れたことで
小さくとも自信がつく。
知らない、体験がないというのは弱く、それ故、買って済ませていた生活が
なんと安易でつまらないものだったのかと思い知らされる。
惰性で思い込みのままに、お金を使うしか能がない。
泣き寝入りしたり、巻き込まれたり。いざ、暮らしていく上でその知恵がない者は、弱い。

 今回、もちろん田植えをしたということは貴重なことでした。
やはり、米は元気の源です。

 でもここに来て、変わらないこと、残るもの、それが大切なことだとしたら、
田中さん・あべさんの生活の姿、暮らしぶりだと思いました。
それに、あべさんの人を包みこむ力です。

 泊めていただいた翌日、すっと目が覚める。
名物のペットボトルの湯たんぽの残り香のようなぬるさに足を絡めながら、
外からは日のひかり、小鳥のさえずり。
東京では眠りと新しい一日の間に決別が必要なのだが、
ここで迎える朝は、まさに朝だ。目覚めたからだには充足があり、
自然の力がそうさせるのだろう。
生きものを休ませもし、励ましもし。あのよく干された布団は、
あべさんそのものみたいだ。訪れたものに、
「いらっしゃい」
とあべさんは全身で言ってくれる。まして、来てくれて
「ありがとう」
と言ってくれるなんて!食事の支度から後片付け。
みんなが田んぼにいる間も、遊学の森に必要な裏方をしてくれています。
それをただ大変なこととは受け止めないで、
みんなの喜ぶ顔を自分の喜びにして、人を招き、人を送り出す。
だからこそ訪れたわたしたちは居心地が良く、知らない間に元気をもらっている。

 最近、愛犬クロはひとりで野山を走り回っている途中に
毒を口にしてしまったのだという。
毒にやられた小動物を口にしたものか、経緯はよくわからないものの、
家に帰って震えが止まらず
・・・神経をやられてしまったクロは、あべさんの部屋で看病されたという。
わたしたちが見たクロは落ち着きを見せつつあった。縁側であべさんに身を任せて、
撫でられるままのクロを見ていると、クロはこうやってもらいたくて、
死んでなんかいられないと思ったんじゃないか、そう思えてくる。
クロはペットではない、犬だ。種は違うけれど、家族だ。
人間の暮らしと犬の暮らし、それがあいまって、共にある。
暮らしがなければ、種が違うものとこんな風にはいかないのではないか。
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 三日の朝ごはんと昼ごはんは田中さん家の納屋で。
大きなテーブルに椅子を並べて、目に映るものはみんなの顔と初夏のみどり。
玄米に白米、みそ汁、ここで取れた野蕗の煮付け、鮭の切り身、小魚の甘露煮、
生野菜(紅いクコが散らばっている)、かぼちゃと小豆のいとこ煮、
長いもの梅干し合え(さらに梅酢で合えてある)、
珍しい烏骨鳥のゆで卵(あべさんの友人が育てている)
等々、が並びました。
お茶請けにと煮栗、おやつまで手作りを用意してくれていました。

 きれいに使い込まれた台所には、炭の入った水甕、
洗剤をつけなくてもいいような毛糸で編まれたスポンジ。
ここで炊かれるご飯、沸かされる野草茶。
その日々のこと、そこに立つ人の気配が台所にはある。
料理にだって、作る人の気持ちがある。
食べることは人をひとりにはしない。
生かし生かされる輪の中にいて、食べることは分かちあうことなんじゃないか。
ひとりでは分けられない。自然に抱き込まれ、
感謝することを知っている人の暮らしは、ぶれることがない。
生きることはこうした衣食住のことなんだと、
自然がそこに還してくれるのではないかと思った。
洗面所にさりげなく置かれた、歯磨き用のはこべ塩もそのひとつである。

 田植えは「田植え足袋」と呼ばれる地下足袋を履く。
足袋のようなフックはついておらず、靴下のようにそのまま履く。
それぞれが帽子を被る。総勢20名近く。
実は田植えってどうやるのだろう、手で植えるって?

 遊学の森式は、二本の木の棒に間に長い長い紐が張られてある。
紐には等間隔に大きなビーズのような玉が付いている。
田植えをする人々は横一列に、その玉を頼りに。
片手に持った苗床から、3本を取り、玉をひとつ置きに、ひとり4列を植える。
田んぼの外側にいる人は、田んぼの形に合わせて、
その端に木の棒を差し、紐を緩めたり、きつくしたりで紐を張る。
そうやって一列を終え、また目安の紐が前に張られる。 

そこに植え、また繰り返す。
等間隔は、田んぼの泥濘に足をとられて、ずれる。
背を照らす陽射しにくたびれて、ずれる。
声を掛け合い、帳尻を合わせながら、
みんな腰を屈めて進んで行く。

 わたしは東北で生まれ育ったのですが、
小さい頃、年寄りというものは決まって腰が曲がるものだと思っていました。
見かけるおじいさん、おばあさんは、
いつだってお辞儀でもするかのように腰が曲がっていた。
今になって思えば、加齢のせいでもなく、
毎日の田や畑に従事のした人の歴史のままに曲がったのだと思い当たります。
鴨川でわたしは通りすがりの、旅行者のようなものですが、
しばし、こうやって土に触れていると、米や野菜を育てることは、
自分を育てることなんだと恥ずかしながら気付かされます。
天候に一喜一憂し、自分の気持ちや体がついていかない日も、
それでも立つ。お百姓さんというのは自然に即し、
苦しいことも喜びに変わると信じている、芯の強い人のことではないのか。
自分がさぼれば、米がさぼると。

 年寄りが言う、
「米を粗末にするとばちが当たる」
というのは、自然の力と人の営みが織り成した、
紛れもなく体験に裏打ちされたことばなんだと今更ながらに思います。

 午後は田んぼのまわりに群生したセリ、よもぎ、蕗、すぎななどの野草つみ。
セリは何といっても晩の餃子の具、取らなくては!
後は各々、おみやげ用に好きなものを好きなだけ。
セリはおひたしに、蕗は煮物。
よもぎは餅にしてみたいが、難しいかな。
すぎなは天日に干して、お茶。
利用方法に疎いのだが、思いを巡らせながら、楽しかった。
歩いて行って、つんで、家に帰って食べる。瑞々しい野草、力に満ちている。
食べて良し、治すのに良しの野草のことを
遊学の森でこれからも体験できたらいいなと思う。

 杉山さんのお宅では、捌いて干した房総の魚を囲炉裏で。
セリのおひたし、取れた筍の煮物、等々。
それに、米を作るところでのもてなしと言えば、杵と臼でのつきたての餅。
納豆にごまにきなこ。
座敷を借りて作ったセリ餃子は時間が押してしまい、流れ作業でした。
慌てて、小麦粉を練り、皮を作り。山ほど刻まれたセリ、たまねぎを
包む。延べ棒で皮を作る役と餡を入れて包む役と。
手始めに田中さんがジャンボ餃子を作ったからなのか、デッカイ餃子が出来ました。
でも、デッカイというのがいいのではないか。
料理本のレシピとは違って、遊学の森のは大らかだ。
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 月明かりの下、犬は気の向くまま。鶏はもう眠ってしまったのか・・・。
子どもたちもやってくる。太鼓で太古の昔に戻り、珈琲を飲み、夜は更ける。

今は昔。そうではない。大切なことはそれでも残る。
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5月3日 田植えレポート②

田植えレポート               中野綾子


高田馬場から車にぎゅうぎゅうに乗り込み、
予定の時間をだいぶ過ぎて着いた始めての鴨川。
夜遅くにもかかわらず、田中さんあべさんと
大勢のカエルのお出迎えにあう。

ペットボトルを利用したあべさんの湯たんぽに
心も体もあったまりながら朝を迎えた。
夜には見えなかった周りの景色にはっとした。
ゆるゆると周りを散歩して、朝ごはん。
おいしくて何だかたくさん食べてしまう。

ごはんを食べた後は、とうとう田植え!
約20名近くが一列に並ぶ。
始めの一歩がなかなか進まなくて、
今か今かとそわそわしている様子がおもしろい。


進むにつれ位置がずれて隣の人と、
「ここかな?」
「いや、こっちかな。」
などと言いながらも、結局

「まぁ、ここでいいや。」
「あ、ずれてたから一個増やして…」
「お、今回はあってた」
といった風に、適当に調子よく進んでいって、
あっという間におしまい!
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そして、昼ごはんをたらふく食べた後は、山菜取り。
せり、ふき、すぎな、よもぎ、みつばなどを取る。
夕飯のせり餃子、そして帰ってからのお楽しみのために
一生懸命に山菜を摘んでいった。
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夕飯は杉山さんの家で。
せり餃子の用意の途中、
この餃子の中身の九割はせりなんじゃないかと
一抹の不安がよぎる。でも、とてもおいしい餃子でした。
(おやきとの声もあり!)
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囲炉裏で焼く魚は格段においしくて、
杵とうすでついたお餅も
「もう沢山!」と思いつつもついつい食べてしまう。

地域通貨安房マネーの話や、鴨川の今後について、
オーガニックコットンについてなど、
興味深い話をたくさん聞くことができました。
夕飯の後はおいしいコーヒーを飲んで、
いつでも鳴らせるジャンベの音を聞きながら、
ばんやへと向かう。
お風呂に入り、泥がついた跡にそって変に
日焼けしているのに気がついて二日目は終了。


最後の日の朝食は外で犬と鶏と一緒に。
このような自然にいられることのうれしさを実感。

今度の田植えは、先に引いてある線にそって
個人で進んでいくという方法。
田植え暦二日目の私は足をとられて、なかなか前に進まない。
リズムが大事と教わるが、そのリズムもわからない!
田植えの歌とか無いのでしょうかね。

そして、ともかく来ていた子ども達がかわいかった。
自然に子供に太陽に風に
もうなんか言う事なんかないってくらい楽しむ事ができました。

ごはんを食べて、とうとう出発。
車の天上から顔を出して、山と海にさよなら。
ちょっとしんみりしつつも、結局は熟睡してしまいましたが…

田中さん、阿部さん、杉山さんありがとうございました。
また、誘ってくれた蛭田さんも、
そして、3日間一緒だった人たち、いい天気と空気と自然も。

5月3日田植えレポート①『米を食う、その行為と豊かさの象徴から』

『米を食う、その行為と豊かさの象徴から』      下地敏史


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 那覇空港から飛行機で2時間30分、東京の羽田空港へ降り立つ。
同じ時間で、那覇から本島北部の東村へ車で移動することができる。
さらに、東京宿から、千葉県鴨川へ電車で移動するとほぼ同程度の時間を要する。

 空間を越えてさらに想像力を逞しくすると(ささやかではあるけれど)
今、この瞬間に無数の営みが繰り広げられていて、
飢餓、戦争、愛、喜び、絶望、希望、
そんなものが極寒の地や灼熱の大地、或いは長閑な田園で一秒一秒刻まれている。

 僕は、そんな途方もないことを稲の苗を水田にゆっくり沈めながら考えた。
世界に対して余りにも無力だけれど、
目の前の苗が規則正しく配列されていくのを見ていると、
不思議と指先から実感として伝わってきた。

 学生として、東京に出てきてまだ日は浅いが、
縁あって古本屋の主とその仲間達と共に鴨川へ、
2泊3日の田植え体験ツアーに出た。
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 宿泊先は、古本屋の主(蛭田葵さん)と親交の深い、
田中正治さんとそのパートナー、阿部さんのお宅。
首都高の混雑で到着にかなり遅れてしまい、夜の11時を優に過ぎていた。
それにも関わらず、お二人は熱いお茶
(特にドクダミのお茶は、後味がほんのり甘く旨かった)
とお菓子を用意して待っていてくれたのはありがたかった。

 深夜の訪問で恐縮しながら小さく頭を下げた僕は、
田中さんと阿部さんの表情に見とれてしまった。
人の皺には、巨木の年輪のように無言の説得力があるとお二人を見て感じたからだ。

 田中さんの喋り口が関西弁であることから、
鴨川に移住してきたことはすぐに分かったが、
僕は、ただ“田植えを経験できる”という
目の前の人参を追いかけてトコトコついて来ただけなので、
田中さんや阿部さんの素性は何一つ知らなかったし、
正直東京に帰宅した現在も詳細は知らない。

 しかし、その皺が僕に語ってくれた。
絶望と希望、理想と現実、相反すると思われる様々な状況を歩き続けた結果、
深く刻まれた皺一つ一つに「苦労」という言葉では表象しきれない信念を。
ぬくぬくと育った僕には、形容することすらおこがましいと思う。

 無駄な脂肪は一切無く、田を耕し、道を歩くために必要な分だけの筋肉と、
少々のウイルスは簡単に弾き返す、輝く皮膚。
それはまるで、日々肉体と語り合う年老いたダンサーのように美しかった。

 笑顔には、少し影がある。それは、言葉を投げかけた僕を一瞬立ち止まらせる。
「その言葉は、君のオリジナル?」
と反されているようで、一々自分の過去や影響されてきた事物と向き合うことになる。

 東京の自然食を扱う店に立ち寄ると、南瓜が一つ千円を越え、
大根やその他の葉野菜なども、学生の僕には手が出ない高価格で、
見るからにセレブの奥様方が籠一杯に買って帰るのを
恨めしそうに指を咥えて見ているしかなかったが、
鴨川では、無農薬のお米や、裏山の野草をいただくことができた。
そして、その味は言うまでも無く格別だ。
蛙が鳴き、蚊が飛び、鳥が巣を作る。その合間を間借りして、
人は食べ物を作ることの許しを得る。
人と自然とは、戦う相手ですら無いのかもしれない。

 僕は夕方になると決まって脱力感に襲われた。
おそらく、僅かな僕の知恵や体力が山風に吸い取られたのだろう。
いかに、反自然的な生活を送って来たかを痛感させられた。
一方、滞在中出会った人全てが、生き生きとしていた。

 子供達は、鶏に餌をやり、火と触れ合う。
雨は雨として感じ、風は風として感じ、寒さは寒さとして感じる。

 物質的なフィルターを排除していくと、人はこうも輝いていくのかと、
まだあどけない子供にも感動した。
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 僕は思う。豊かさの象徴がお金である時代は、まもなく終わると。
翻ってそれは自然と対話できる人が生き残ることを指している。

 以前、湾岸戦争が起きたとき、
油にまみれて羽をばたつかせ息絶えた多くの海鳥の映像が流された。
あれは、僕かもしれない。

 豊かさという油にまみれて、息絶える姿が重なる。
両者の違いは、海鳥は完全に被害者であることだけだ。

 僕はせめて、生きるという行為が
あらゆる存在の搾取の上に成り立っていることを受け止め、
一つでも負荷を減らす努力をしていきたい。

 それは、希望ではなく義務だ。
結局、些細なことしか僕には出来ないのだから。

 出発の朝、朝食を済ませ、田中さんと阿部さんにお礼をいい、
食べ終わった食器を台所に運んだ。流し台には、
手作りのスポンジ(毛糸のようなもので出来ていたから正確にはスポンジではない)
が二つあった。
 そして、もちろん洗剤はなかった。
 僕の部屋には合成洗剤が出番を待っているというのに。

僕に出来ることはささやかではあるけれど、どうやら星の数ほどがありそうだ。

5月3日午後、採取予定の野草です。

野草
田中正治

★鴨川で採取できる野草

・ヨモギ  :(陰干し)糖尿病、止血剤、お風呂に入れる、もぐさ
・スギナ  :(陰干し)利尿、お茶(軽く煎じる)、
・野ぶき  :(陰干し)喘息、胃腸、
・柿の葉  :(陰干し)高血圧予防
・どくだみ :(陰干し)浄血、
・ユキノシタ:(陰干し)腎臓むくみ、
・はこべ  :(陰干し)胃腸、下痢、歯槽膿漏、歯磨き(はこべ塩)
・タンポポ :(陰干し)胃腸、強壮、
・オオバコ :(陰干し)目薬、咳止め、
・ビワの葉 :(陰干し)鎮痛、

★5月3日午後、採取予定の野草です。

・スギナ
・野ぶき
・セリ  →セリ餃子
・三つ葉
・はこべ→歯磨き(ハコベ塩)
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